鉄瓶・南部鉄器のいろは
南部鉄器 鉄瓶の選び方
鉄瓶の種類は数多くございます。
ここでは、鉄瓶を選ぶ指標をかんたんにまとめております。
ご参考に頂ければと存じます。
●製造方法
鉄瓶の製造方法は、大きく2種類に分けられます。
製造における全ての工程を職人によって行われる「焼型」。
砂に水と凝固剤を混ぜて、プレス機で押し固めて型を造る「生型」。
「焼型」技法は400年以上前と古くから伝えられた技術です。
鉄の厚さを薄目に造られておりますので、「生型」技法で造られた鉄瓶より比較的軽量になっております。
文様も職人が1つ1つ丁寧に描いておりますので、趣の有る仕上りにあっております。
「生型」技法は、機械によって型を造るため、「焼型」より価格が抑えられおります。
「焼型」より製品の厚みが大きいので、IH調理器でご使用頂くのに適しております。
型を造るのは機械ですが、仕上げの工程は職人によって行われます。
急須・鉄鍋・風鈴などは、「生型」によって作られます。
●鉄瓶内部の錆止め処理方法
鉄瓶の内部は古来より伝わる伝統技法「釜焼き」という、約900度の炭火で焼くことによりサビ止めの酸化皮膜を形成させる技法。
鉄鍋等に用いられる黒焼付仕上がございます。
「焼型」鉄瓶は、全て「釜焼き」を施しており、「生型」鉄瓶も高価な商品は「釜焼き」を施しております。
黒焼付仕上の鉄瓶は「釜焼き」の工程を省いて製造されております。
どちらもお湯を沸かした時に鉄分が溶出致します。
鉄瓶の内部は、素焼き(無塗装)・漆焼付仕上・黒焼付仕上がございます。
お湯を沸かした時の鉄分の溶出量は、微量ですが素焼き(無塗装)が一番多いです。
漆焼付仕上・黒焼付仕上も、鉄肌に酸素を通しますので、沸かしたお湯に鉄分が含まれております。
素焼き(無塗装)
漆焼付仕上
黒焼付仕上
●外側の塗装の種類
鉄瓶の外側は、漆焼付塗装・カシュー焼付仕上・黒焼付仕上がございます。
漆は高価な代物のため、「焼型」鉄瓶など価格の高い鉄瓶に使用されております。
カシュー塗料とはカシューナッツから抽出した天然樹脂塗料です。
天然成分で漆に非常に近い性質を持っています。
「生型」鉄瓶の多くにカシュー塗装を用いております。
漆に近い性質のため、漆焼付塗装に近い趣のある仕上りになります。
黒焼付塗装は、鉄鍋等の調理器具に用いられる技法です。
独特の光沢感がございます。
●容量
鉄瓶は1L以下の小さなものから、2L以上の大きいものまでございます。
ご使用用途によってお選びください。
●その他注意事項
近年、安価な中国産鉄瓶が出回っております。
弊社で扱っております商品は南部鉄器の老舗工房岩鋳様をはじめ、岩手県水沢地区の工房様で造られている商品でございます。
ご安心してお選びください。
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